phoenix v | tome | x c450 の主な仕様

主な撮影対象主な撮影対象

ミリフォーカスCTスキャナphoenix v|tome|x c450は、アルミニウム鋳造製品や小型鋳鉄製品、大型の樹脂製品などを主な撮影対象としています。ナノ、マイクロフォーカスCTスキャナと比較すると出力が高く(最大 1,500W)、またX線管最大電圧は450kVとX線の透過力も高いため、ある程度の厚みを持った金属・樹脂でも撮影が可能です。
また、装置内部のワークサイズはφ500×1,000mmと、ナノ、マイクロフォーカスCTスキャナでは撮影が出来ない大型サンプルも撮影が出来ます。これらの理由から、アセンブリされた部品や軽金属製品の内部品質検査(クラック、ボイド、鋳巣などの検出)、内部形状の寸法測定、肉厚測定、リバースエンジニアリングなどにもちいられ、自動車や航空・宇宙、産業機械、ロボット、造船などの産業分野で活用されています。

ミリフォーカスCTスキャナ phoenix v|tome|x c450

装置の特徴

phoenix v|tome|x c450は、ラインディテクタアレイ(LDA)とフラットパネルディテクタ(FPD)と呼ばれる、2つのタイプの検出器を搭載しています。FPDはX線検出素子が平面的に並んでおり、LDAと比べて非常に短時間で高い精度のデータを取得出来るのが特徴です。
このため、金属・樹脂製品の内部品質検査、アルミニウムなど軽金属製品の正確な形状データを取得することに適しています。LDAはX線検出素子が線状に並んでいるため、試料を上下方向に一層ずつ撮影する必要があり、試料全体のスキャンには長時間を要します。このデメリットに対して、コリメータと呼ばれる光学部品をもちいることで、光収差によって発生する不完全な像を除いたノイズが少ない高品質なデータを得ることが出来るというメリットがあります。
その他の特徴として、X線漏洩を防ぐ鉛製のキャビネットを装備し、X線を装置内に封じ込めているため、放射線管理区域を設ける必要がありません。これによって、簡便かつ安全に検査・測定業務を行うことが可能です。また、CTスキャナ本体とデータ再構成用のPCが分離しており、撮影を進めつつデータ処理を並行して行うことが可能です。このため、数多くのサンプルを短時間で撮影・検査することが出来ます。

ミリフォーカスCTスキャナphoenix v|tome|x c450の装置内部ミリフォーカスCTスキャナphoenix v|tome|x c450の装置内部

オプション機能・サービス

産業用CTスキャナ業界において標準的に使われている解析・可視化ソフトウェア「VGStudioMAX」を使用し、寸法、肉厚、平面度、繊維方向など再構成データの解析、断面画像のJPEG、TIFF、BMP、DICOM出力、外観形状のSTL出力、測定値と設計データとの比較・カラーマッピング、鋳造プロセスシミュレーション(MAGMA)用データの出力、断面・3Dアニメーションの制作などを行うことが可能です。
特に、アルミニウム鋳造品などの内部欠陥(鋳巣など)可視化・測定、製品設計値とCTスキャン実測値を比較し3Dデータ上に誤差をカラーマッピングすること、金属・樹脂・セラミックスなどさまざまな素材が組み合わされた製品の内部状態を可視化・寸法計測することに適しています。

ミリフォーカスCTを使った鋳巣検査ミリフォーカスCTを使った鋳巣検査

散乱線補正システム scatter|correct

  • scatter|correct なしの断層画像scatter|correct なしの断層画像scatter|correct なし
  • scatter|correct ありの断層画像scatter|correct ありの断層画像scatter|correct あり

Baker Hughes(旧GE)社の新技術であるscatter|correct(散乱線補正システム)は、事前のスキャンで取得した散乱線を学習し、実際のスキャンでは散乱線を軽減する補正をかけて実施することが出来るシステムです。これによって、スキャンで得られる画像のアーチファクトの軽減とグレイバリューの均一化を望むことができ、より高精度な測定が可能になります。

phoenix v|tome|x c450フェニックスヴィトムエックスシー

X線管タイプ ミリフォーカス・クローズドチューブ
最大管電圧/最大出力 450 kV / 1,500 W
フォーカススポット径 0.4 mm(最大出力 700 W)
1.0 mm(最大出力 1,500 W)
フォーカスディテクタ距離
(Focus detector distance: FDD)
1,300 mm
ボクセルサイズ範囲 100 - 146 μm
倍率 1.37 - 2 倍
空間分解能 2.5 lp/mm at 130 μmボクセル(ASTM E 1695準拠)
測定精度 20 + L / 100 μm(VDI 2630-1.3ガイドライン準拠)
検出器 フラットパネルディテクタ(FPD)
Dynamic41|200 ディテクタ、受感範囲 400 x 400 mm
2,000 x 2,000 ピクセル(4メガピクセル)、ピクセルサイズ 200 μm

ラインディテクタアレイ(LDA)
受感範囲 820 mm、2,050ピクセル、400 μmピッチ
マニピュレータ 高精度花崗岩ベース2軸マニピュレータ 2軸(R,Y)、Z軸(300mm)、X軸(オフセット軸)
最大スキャン範囲 500 x 1,000 mm(270 x 1000 mm scatter|correct)
最大試料重量 100 kg
フォーカス試料間距離
(Focus object distance: FOD)
650 - 950 mm
装置サイズ 2,310 x 2,750 x 2,870 mm(コンソールを除く)
装置重量 15,000 kg
ソフトウェア phoenix datos|x (日本ベーカーヒューズ株式会社(旧GE)製CTデータ取得・再構成ソフトウェア)
対応モジュール オートROI、セクタスキャン(ハーフスキャン)、ファストスキャン、マルチスキャン、マルチボリューム再構成、自動幾何調整、ビームハードニング校正、リングアーチファクト軽減、オブジェクト調整