活用事例
成型ポテトチップス比較
美味しさの秘密を
CTの視点から探る
撮影装置:phoenix nanotom m
試料寸法:50 × 40 × 11 mm
スキャン時間:30 分以内
ボクセルサイズ:20μm / 6μm
活用事例
撮影装置:phoenix nanotom m
試料寸法:50 × 40 × 11 mm
スキャン時間:30 分以内
ボクセルサイズ:20μm / 6μm
Issue
生のジャガイモを加工する従来のポテトチップスに対して、乾燥したじゃがいもをマッシュポテトのように潰して、ポテトチップスの形に加工してつくられる商品を成型ポテトチップスといいます。今回は一見違いのない3社の成型ポテトチップスをスキャンし、CTで観察できる要素について検証を行います。
まずは1枚のポテトチップス全体をボクセルサイズ20μmでスキャンを行い、その後より詳細に構造を観察するため12mm程度に割り、拡大投影によってボクセルサイズ6μmでスキャンを行いました。
ポテトチップス全体をスキャンした結果からは、調味塩の量と粒の大きさの違いを測定することできました。商品Bは体積0.03mm3を超える塩粒が多数見られ平均体積は0.0151mm3と、明らかに大きい傾向にありました。
一方で調味塩の量自体は商品Aが最も多く、他2つのサンプルと比較して2倍以上の体積をもつことが計測できました。実際に試食してみた感覚でも、商品Aが最も塩味を感じる結果となりました。
また、カラーマップでみると、ポテトチップスの谷の部分に粒径の大きい調味塩が多く分布している様子が観察できます。
より詳しい解析を行うため、ボクセルサイズ6μmでスキャンを行いました。すると断層画像上でじゃがいもと空隙、植物油を、コントラスト差で見分けることができました。
上図では植物油と思われる部分の体積を計測するため、断層画像上で明るく映った範囲と暗く映った範囲の輪郭に定義面を設定し、体積の測定を行いました。結果として、商品Cが最も植物油の体積が大きいことが判明しました。
また、商品Bは他の2種類と比べて空隙率が高いことも分かり、空隙率の違いが食感に影響を与えている可能性が考えられます。