プレスリリースTOPICS一覧2020年6月24日
大分県宇佐市の依頼により特別天然記念物『オオサンショウウオ』のCTスキャンを実施し、CT生物図鑑サイトで公開
〜依頼元の宇佐市の施設でも情報公開を予定〜
株式会社JMC(神奈川県横浜市 代表取締役社長兼CEO:渡邊大知)は、大分県宇佐市からの依頼により、国の特別天然記念物に指定される『オオサンショウウオ』のCTスキャンを実施し、本日より、CTスキャンデータを掲載するWEBサイト『CT生物図鑑』で3D標本や画像を公開いたしました。今後、本データを活用した宇佐市との共同企画として、宇佐市内の道の駅やギャラリーでの3D標本の展示なども予定しております。
1. CT生物図鑑サイトでの情報公開
JMCが運営するCT生物図鑑は、産業用CTスキャナで3Dスキャンを行った生物のデータを公開しているWEBサイトです。身近な昆虫や鳥類から、観察に顕微鏡を必要とする微生物まで、様々な生き物を3Dデータや画像で紹介することで、普段は気づけない生き物の面白さを、楽しく学んでいただくことができます。
今回の共同企画では、オオサンショウウオの外観形状と骨格の2種類の3D標本や、体の内部構造を映し出した断層画像などを公開しています。3D標本は、パソコンやスマートフォンなどのデバイス上で、オオサンショウウオの体を隅々まで観察することができます。また、オオサンショウウオが捕食した生物の骨なども見ることが可能で、オオサンショウウオの生態を学ぶきっかけとなるコンテンツであるとともに、被写体内部まで観察することができるCTスキャンの特性に、多くの方に触れて頂く機会となることを目指しています。
CT生物図鑑 『オオサンショウウオ』ページ
https://ctseibutsu.jp/ex/giant_salamander.html
CT生物図鑑サイト
オオサンショウウオ紹介ページ
2.宇佐市内施設や学校での利用 『道の駅いんない』や『安心院ぼんちギャラリー』などの宇佐市内施設において、3D標本展示や観察会の実施を予定しています。また、市内の小中学校にて、生物多様性の学習や3Dデータの仕組みを学ぶための教材として、タブレット端末を利用したICT学習等への活用を計画しています。
安心院ぼんちギャラリー
3.関係者・有識者からのコメント(一部抜粋)
NPO法人日本ハンザキ研究所 理事 田口勇輝 様
「今回のCTスキャンデータや、広島市安佐動物公園が出版しているオオサンショウウオの解剖図説などを参照することで、より詳細な体の構造を知ることができ、今後の研究や、個体の治療などの保護にも役立つと思います。また、研究以外にも、その美しい内部構造を見るだけで面白みがあり、近年注目されている透明標本のような鑑賞的価値や芸術的価値もあると感じます。」
北九州市立いのちのたび博物館 江頭幸士郎 様
「CTスキャンおよびそのデータの3D化は、生体や標本をほとんど傷つけることなくその内部を調べられ、かつ得られた情報を現場に立ち会っていない人間ともシェアできる点が特色と言えますから、オオサンショウウオのような貴重な生物の体内を調べるのに適した手法の一つとなり得るでしょう。」
広島大学総合博物館 准教授 清水則雄 様
「国の特別天然記念物であるオオサンショウウオは許可なく触れることさえできない希少動物ですので、その形状や骨格に触れ合うことはなかなかチャンスがないかと思います。このようななかでCTスキャンデータから2色モデルを出力し、ハンズオン展示や授業などで利用することは実際に目で見て、手で触れる体験型教育を通じた理解の増進に役立つと思います。」
コメントの全文は下記ページを参照
https://ctseibutsu.jp/data/giant_salamander_comments.html
4.CTスキャンを行ったオオサンショウウオについて
今回CTスキャンを行ったオオサンショウウオは、宇佐市内の田んぼの用水路で死亡しているところを地元農家の通報を受け、宇佐市教育委員会が確保し、北九州市立いのちのたび博物館協力のもと冷凍保管されていました。
その後、教材標本として3D標本化が提案され、今回のCTスキャンにいたりました。
【産業用CTについて】
産業用CTとは、物体を透過する性質を持つX線を使用して被写体をスキャンすることで、被写体の形状を三次元情報として取得する技術です。産業用CTの技術は、工業製品の非破壊検査やリバースエンジニアリングから、文化財や生物の三次元測定など、幅広い用途で使用されています。JMCは、産業用CTスキャナを使用した検査・測定サービスを提供しており、国内最高水準のサービス体制を追求し、市場開拓と技術普及に努めています。
大型産業用CTを設置する工場
【当社概要】
1999年、光造形方式の3Dプリンターを導入して製造業に参入。3Dプリンター出力による部品製造の事業規模が拡大する中、2006年に有限会社エス・ケー・イーを吸収合併し、砂型鋳造法による鋳造事業をスタート。3Dプリンターで培ったデジタル技術を背景に、職人の肌感で語られることが多かった鋳造を定量化することで、経験年数に依存せずに質の高い鋳造ができることを証明。業界に新たな進化を起こした。2015年には産業用CTによる非破壊検査・測定を目的としたCT事業を開始。さらに、心臓カテーテルシミュレーター『HEARTROID』の販売でメディカル分野にも領域を拡げた。2016年東京証券取引所マザーズに上場。
所在地:神奈川県横浜市港北区新横浜2-5-5住友不動産新横浜ビル1F
代表者:代表取締役社長兼CEO 渡邊大知
設立:1992年12月18日
資本金:780,244,000円
売上高:2,809百万円(2019年12月期)
従業員数:134名(2019年12月末)
事業内容:3Dプリンターおよび砂型鋳造による試作品、 各種部品・商品の製造、 販売
産業用CTの販売および検査・測定サービス
高度管理医療機器等の販売、 医療機器等の製造・製造販売
U R L:
https://www.jmc-rp.co.jp/
【本件に関する問い合わせ先】
株式会社JMC 広報担当
TEL: 045-477-5751 / FAX: 045-471-5270
E-MAIL: jmcltd@jmc-rp.co.jp